東京地方裁判所 昭和54年(特わ)280号 判決 1979年8月06日
本店所在地
東京都渋谷区宇田川町二七番六号
泰和企業株式会社
(右代表者代表取締役 頼光裕)
右の者に対する法人税法違反被告事件につき、当裁判所は、検察官江川功出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。
主文
被告会社を罰金二五〇〇万円に処する。
理由
(罪となるべき事実)
被告会社は、肩書地に本店を置き、飲食業、旅館業及び煙草の販売等を目的とする資本金四八〇〇万円の株式会社であるところ、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括していた分離前の相被告人頼徳和(昭和五四年四月六日死亡、同月一九日公訴棄却決定)において、被告会社の業務に関し法人税を免れようと企て、売上の一部を除外する等の方法により所得を秘匿したうえ、
第一 昭和五〇年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一億一七三八万五八一六円あった(別紙(一)の修正損益計算書参照)のにかかわらず、同五一年三月一日、東京都渋谷区宇田川町一番三号所在の所轄渋谷税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が五〇九万八〇八一円でこれに対する法人税額が一二三万〇六〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(昭和五四年押第二八〇号の符号一)を提出し、そのまま納期限を徒過させ、もって不正の行為により被告会社の右事業年度における正規の法人税額四五八二万六八〇〇円(税額の算定は別紙(三)計算書参照)と右申告税額との差額四四五九万六二〇〇円を免れ、
第二 昭和五一年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一億二六六六万一六二九円あった(別紙(二)修正損益計算書参照)のにかかわらず、同五二年二月二六日、前記渋谷税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一五四〇万九四九九円でこれに対する法人税額が五〇四万九九〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(前同号の符号二)を提出し、そのまま納期限を徒過させ、もって不正の行為により被告会社の右事業年度における正規の法人税額四九五一万二四〇〇円(税額の算定は別紙(三)計算書参照)と右申告税額との差額四四四六万二五〇〇円を免れ
たものである。
(証拠の標目)
第一 判示冒頭事実を含む判示事実全般につき、
一 分離前の相被告人頼徳和の当公判廷における供述及び検察官に対する供述調書七通(乙1ないし7)
一 秋山ミツ(四通)、孫憲乾、橋本武雄、友寄英和(二通)、遠田和雄、梅田俊明、稲森修司、頼光裕の検察官に対する各供述調書(甲一5ないし16)
一 登記官作成の登記簿謄本二通(甲一1、弁6)
第二 別紙(一)、(二)の各修正損益計算書掲記の各勘定科目別「当期増減金額」欄記載の数額のうち、
(イ) 商品総売上高(各<2>)につき、
一 大蔵事務官作成の売上除外額調査書(甲一2)
(ロ) 当期商品総仕入高(各<5>)につき、
一 検察事務官作成の昭和五四年二月九日付捜査報告書(甲一3)
(ハ) 価格変動準備金繰入((二)<40>)につき、
一 渋谷税務署長作成の証明書(甲一17)
(ニ) 前期事業税((一)<45>、(二)<43>)につき、
一 大蔵事務官作成の未納事業税調査書(甲一4)
一 検察事務官作成の昭和五四年三月三〇日付捜査報告書(甲一18)
第三 別紙(一)、(二)の各修正損益計算書掲記の各勘定科目別「公表金額」欄記載の数額及び過少報告の事実につき、
一 押収にかかる被告会社の昭和五〇年一二月期及び同五一年一二月期各法人税確定申告書各一綴(昭和五四年押第二八〇号の符号一、二)
(法令の適用)
一 判示各所為
各法人税法第一五九条、第一六四条第一項
一 併合罪加重
刑法第四五条前段、第四八条第二項
(裁判官 半谷恭一)
別紙(一)
修正損益計算書
泰和企業株式会社
自 昭和50年1月1日
至 昭和50年12月31日
No.1
<省略>
泰和企業株式会社
<省略>
別紙(二)
修正損益計算書
泰和企業株式会社
自 昭和51年1月1日
至 昭和51年12月31日
No.2
<省略>
泰和企業株式会社
<省略>
別紙(三)
ほ脱税額計算書
<省略>